日本企業の退職金が激減 老後に向けてどう対応すればよいのか?

ファイナンシャルプランナー 山下 幸子さんんのお話しです。



ご存知ですか?退職金が激減していることを

ライフプランを山登りに例えますと、住宅資金と教育資金の山を乗り越えて最後にやってくるのが
老後資金の山ですが、これを乗り越えるための大きな柱が年金と退職金です。
しかしながら、この退職金に異変が起きています。
厚生労働省「就労条件総合調査」によりますと、定年退職者(大卒)の平均退職金は、
山一證券が破綻した1997年の2871万円をピークに年々減少し、
2013年にはついに2000万円を割り込み1941万円となりました。
16年間で930万円減少し、10年前の2003年(2499万円)と比べても
558万円減っています。

退職金をもらえるのはまだましな方で、支給しない企業が増えています。
退職金制度のない企業が1993年は8%でしたが、制度自体を廃止する企業が続出し
2013年は25%と4社に1社となっています。
また、年金についても少子高齢化のもとで制度自体を維持するためには、保険料の増額か
受給額の減額か増税かいずれにしても我々国民の負担なしには考えられません。
こんな状況でも、自分の城は自分で守らなければなりません。
どう対応すればよいのか?一緒に考えてみましょう。
 

最初にリタイア時の必要貯蓄額を試算


対応策を考える時に最初にしなければならないのは、リタイア時の必要貯蓄額の試算です。
老後の費用には、生活費・介護費用・ローン残高・リフォームや子供の結婚費用などがあります。
また、収入は主として年金と退職金であり、費用総額と収入総額との差が必要貯蓄額となります。
もし必要貯蓄額を確保する見通しが立たない場合は、
知恵を絞っていろいろと対応策を考えなければなりません。
 

必要貯蓄額から逆算して今からやるべきこと

必要貯蓄額を確保するためには次のような対応策が考えられます。

1.「働く」
先ず収入を増やすことを考えましょう。
定年退職後の再雇用制度の活用や再就職、得意分野を活かした起業などにより、
5~10年働く年数を延ばします。
また、奥さんにも働いてもらうのも一つの方法です。

2.「節約する」
費用の削減にも取り組みましょう。
これから住宅の購入を考えている人は、新築だけでなく中古も検討対象に加えてください。
すでに購入済みの人は、過去最低レベルの金利水準を活用し住宅ローンの借り換えを
検討しましょう。
教育費については、最近は進学に力を入れている公立高校も増えてきていますので、
私立の中高一貫校にこだわる必要もありません。
奨学金や教育資金贈与制度の活用も考えてください。
また、食費・レジャー費用・通信費・光熱費・保険料など日常の生活費用をすべて見直し、
ムダを省くようにしましょう。

3.「殖やす」
お金にも働いてもらいましょう。
マイナス金利で預金の利息は微々たるものになりました。
貯蓄から投資にシフトし、株式や債券などで運用すればもっと殖やせる可能性があります。
その場合は、個人型の確定拠出年金(DC)を活用されてはいかがでしょうか。
個人型DCを一言で説明しますと、「節税メリットの大きい老後資金の積立制度」です。
2017年1月から、企業年金(確定給付年金)のある会社員や公務員・専業主婦が
新たに加入できるようになります。
メリットは、積立時・運用時・受給時のそれぞれにおいて税制優遇があることや、
投資信託の売買手数料が通常かからないことなどです。
節税メリットに限れば、NISA(少額投資非課税制度)よりお得になっています。

退職金の激減や年金不安など老後資金については何かと暗い話題が多いですが、
「働く」・「節約する」・「殖やす」の三本柱で豊かなシニアライフを築いていきましょう。








若い世代になるほど、年金の面でも退職金の面でも大変になります。
その上、税金などの負担も増える方向なのですから、本当に困りますね。
若いうちから意識を高めて、少しでも早く「働く」・「節約する」・「殖やす」の三本柱での
生活を実行していくべきでしょう。

 

プログラミング教室活況 でも小学生に必修化は必要?

ITコンサルティング、ITコンシェルジュ   目代 純平さんのお話しです。


2020年小学校でプログラミングの授業が必修化に

2020年より日本でも小学校でプログラミングの授業が必修化される見通しとなりました。
これに伴って、コンピューターのプログラミングを子どもが楽しみながら学べるという
民間の教室が増えているようですが、これからは小学生がプログラミングを
必ず身につけなければならない時代になっていくのでしょうか?

プログラミングが必修化される背景としては、国際的な流れだということと、
さらに、将来的にIT人材が不足するという予測に対して、
早い段階からIT人材を育てて対応していこうという意図があるようです。
AIやIoTに代表されるようなIT化がこれからも拡大していくなかで、
総務省は2025年までにIT人材を新たに100万人育成する、という計画を立てていますので、
そのための政策の一環とも言えるでしょう。

 

今後世界的にIT人材が大幅に不足することが予測される

他国の例を見ていくと、特に先進国では「将来に向けてIT人材が大幅に不足する」
という状況はどこも似ているようです。
既にアメリカやイギリス、シンガポールなどでは小学校からプログラミングが
必修になっているところも多く、日本もその流れに追いつこうとしているとも言えます。
現にイギリスでは、11歳と12歳の子どもたち全員に「micro:bit」という小型で非常に単純な
コンピューターユニットが無料で配布され、自由にプログラムを組んだり
いろいろな実験をしたりできるような環境が用意されています。

 

小学生からプログラミングを必修化する意味はあるのか?

これからも、AIやIoTはより進化し、発展を遂げていくと予想されますが、
小学生からプログラミングを必修化するメリットはどこにあるのでしょう?
そもそもプログラムというのは、コンピューターに何か仕事をさせるときに使う
命令の手順書のようなものです。
プログラムで使われる言語は様々な形式がありますが、全てのコンピューターは
このプログラムによって動いており、その動作の基礎となるものです。
プログラムは基本的に時系列に処理されていくので、それを学ぶことによって
論理的かつ順序だったものの考え方が身につくと言われることもありますが、
それはプログラミングでなくても身につけられるのではないでしょうか。

私も長い間IT業界を見ていますが、実際の現場で必要なのはプログラミングの
スキルだけではありません。
システムを作る過程においても、まずはお客様に対して現状の課題や実現したいことの
ヒアリング・分析をして、それを元に充分に設計を行わないとよいシステムはできません。
よくシステム開発は建築に例えられますが、その場合プログラミングを行うプログラマーは
大工の役割と言えるでしょう。
設計士が施主の希望を聞き、それを元に適切に設計したものをスキルを持った大工が施工して
初めてよい家が完成するのと同じで、設計が不十分なものは
いくら優秀なプログラマーが手がけてもよいシステムはできません。
社会にはいろいろな役割があり、いろいろな職業があります。
子どもたちの将来の選択肢の一つとしてプログラミングを経験させるのは
よいことだと思いますが、必修化して全員に学ばせるというのは少々違和感が残ります。

2025年に向けた目標やIT化のさらなる発展、人口の減少などを考えると
プログラマーを含めたIT人材の育成が必要であることは理解できます。
しかしながらこれから英語の必修化も始まりますし、子どもたちは学ぶことがいっぱいです。
ここにプログラミングの授業も入ってきたら、結果的に何か他の授業を減らすことに
なるでしょうし、そもそも全ての子どもたちがプログラミングに興味を持つとも思いません。
さらに教える側の教員のスキルをどのようにつけていくかという課題も残ります。
そのため、小学生のうちはもっと基礎的な学力やコミュニケーション力を
習得させることに専念し、プログラミングは興味を持った子に対して
選択制で提供すればよいのではないかと個人的には思います。







英語にしてもプログラミングにしても、こうした授業が新しく増えると
、他の教科の授業時間を削ることになるのでしょう。
英語以前に日本語学習が必要、と考える私は、英語も、プログラミングも
選択制になればよいのに、と思ってしまいます。
課外活動の中で、興味のある子だけが学べるようにすれば、皆に時間的な負担もかからず、
子供たちの意志が尊重されるのでよいのではないかと考えます。
 

礼金や更新料がなくなる?特殊な日本の不動産取引慣習に変化の兆し

不動産コンサルタント  加藤 豊さんのお話しです。


 ビルオーナーが預かる敷金が最低水準にまで下がっている


2016年11月18日の朝刊で日経新聞が「(不動産大手のCBRE社の発表によると)
オフィスビルに入るテナントがビルのオーナーに払う預かり金が過去最低水準に
下がっている」と報じました。
具体的には、2011年には東京で賃料の9.5カ月分程度だった預かり金が、
現在は9.1カ月程度まで下落、大阪では同10.5カ月分だったものが
10カ月分を下回る水準となっています。

預かり金(預託金)とは、敷金や保証金など、賃料とは別に入居者がオーナーに支払うおカネで、
退去時に原状回復費用を差し引いて入居者に返還するのが一般的な商習慣となっています。
オーナーはこの預託金を退去時まで金融機関に預けて運用することも多いものです。
しかし、日銀のマイナス金利政策などにより運用益を得るのが難しくなり、
特に中小ビルのオーナーが預託金の水準を引き下げることで入居を促進しています。


日本のビル入居時の敷金は高額。礼金や更新料は日本独特の仕組み

敷金が低下している理由には金利低下以外に、
日本独自の不動産の取引慣習が見直されていることがあります。
海外の不動産投資家や訪日外国人、日本への留学生など、外国人が日本に強くかかわりを
持つ中、(賃貸住宅においても)日本の不動産取引が分かりづらいという声を
無視できなくなりつつあるのです。

「敷金」の制度は欧米にもあり、Security Depositや(ペットを飼う場合には)Pet Deposit、
CAM(Common Area Maintenance charge)などの名称で呼ばれています。
しかし、ビルのテナント(商業利用)であっても3カ月程度が一般的であり、
日本は地域差も大きいですが、特に商業用では多くの敷金を徴収する文化があるといえます。

また、「礼金」という制度がここまで広く一般的に普及しているのは日本だけといえるでしょう。
諸説ありますが、関東大震災後に住む家を失った方や、戦後住みかを失った方々が
住宅を貸してくれた大家さんに謝意を込めて渡したことが始まりともいわれています。
さらに「更新料」も日本独特のシステムで、世界的にも珍しい制度です。
これは、その徴収目的が不明瞭といわれ度々トラブルになり裁判も複数あります。
日本人同士でも十分な理解が得られないなら、外国人とってはさらにわかりづらい制度でしょう。


ガラパゴス化する日本の賃貸制度 外国人の入居ニーズを満たす制度へ

現在は空き家が増加する家余りの時代、礼金などの習慣は合理性が薄れ、
むしろオーナー側が入居者に頭を下げる時代ともいえるかもしれません。
時代にそぐわなくなっている制度は今後、不動産のグローバル化とともに
淘汰されていくでしょう。
今は差別化できる「礼金ゼロ物件」も将来当たり前となり、更新料もむしろゼロとすることで
長期入居を促す切り札になることも考えられます。
保証人がいない方などには家賃保証会社がその代わりを担いますが、
外国人は審査が厳しい実態があります。
その課題を解決すべく、外国人スタッフを擁し、海外現地の親族にまで
直接コンタクトをとる保証会社も出てきました。

人口も世帯数も伸びていた時代は終わりをつげ、ますます日本の賃貸市場は
競争が激しくなってきます。
外国人の「日本のオーヤサンは部屋を貸してくれない」との声にも
積極的に耳を傾ける時代なのです。


海外投資家にもわかりやすい市場へ。大家さんも変化を迫られる

日本の不動産には昨今多くの海外マネーが流れており、不動産市場を支えています。
海外投資家が日本に目を向けるその背景には、日本不動産の安定性があります。
バブル期にも乱高下したのは不動産価格そのもので、
賃料水準はこれまで若干の変動に留まり安定しています。

また、不動産投資利回りと金融機関への返済利息の差であるイールドギャップも、
特に東京オフィスにおいては海外主要市場と比較しても高く、かつ安定推移しています。
東京には大型物件が多く存在し、まとまった金額の投資がしやすい点も
海外ファンドから魅力的に映っています。
これらを支えているのは、これまで人口も世帯数も増加する時代であったことや、
日本の高度な社会インフラなどビジネス環境が整っていること、
経済規模が大きいことなどに支えられていたものです。

今後は少子超高齢化社会に突入してますます経済が成熟する中、
入居者やテナントを安定的に確保するには、外国人の存在を無視できなくなりつつあります。
また、不透明な取引条件はファンドが投資収益を予想する際に嫌気され、
投資そのものを見送るリスクもあります。
もちろん、日本だけが独特なのではなく世界にはその地域に合わせた賃貸慣習があります。
しかし、日本の不動産市場は多くの海外投資家に魅力的であり、
わかりやすい仕組みへ変化することが望まれているのです。

古くから続く不動産業界が現在過渡期を迎える中、今後、旧態依然とした商習慣が徐々に変化、
業者のみならず大家さんにも対応を迫られる時が来るでしょう。







本当に日本の賃貸って家賃のほかにいろいろなお金がかかりますよね。
シンプルに敷金は保証金、礼金は契約料と理解していました。
2年ごとに契約更新料がかかりますが、なぜそれが必要なのかを考えることもなく、
「一般的にそういうもの」として従ってきました。
今回のお話しから、いかに礼金や更新料の中身が曖昧なまま、
支払いを強いられているかを認めることになりました。
実際のところ、外国人にこのような制度(習慣)を説明するのが大変でした。
こうした習慣やその理由を自分自身がよく理解していなかったのですから。
これから、投資に向けた物件として魅力的にしていくために、いつまでも賃貸物件も島国根性を
温存し続けることはできないということが、よくわかるお話しでした。